東京花見名所で地域観光振興
桜前線が東京を包み込んだ3月最後の日曜日、東京の桜の名所「靖国神社」を訪ねた。
千鳥ヶ淵公園や靖国通りなどの花見スポットが連なっている靖国神社周辺は、地元千代田区が毎年「千代田さくらまつり」を開催している。

「千代田さくらまつり」では、千代田区に関わりのある地方自治体が花見の通りにブースを並べて出店、地域産品の販売をしており、花見客の目と舌を楽しませている。
ちよだフードバレーネットワーク参加の自治体
http://www.yamori.jp/foodvalley/ http://www.yamori.jp/wp/wp-content/uploads/2015/02/01ea21697d9035265ad3ef34ca6db38e.pdf 地下鉄九段下駅の地上出口から、神社の本殿に向かって歩いていく。

左側に各地域産品のブースが並んでいるのだが、一番手前のブースではすでに行列ができている。秋田県五城目町(ごじょうめまち)のブースのようだ。

行列が途切れる間隙を縫って、五城目町の伝承料理「だまこ鍋」を購入して食す。だまこ鍋にはご飯をピンポン玉ほどの大きさに丸めた団子が入っていた。ブースの方々に伺うと、秋田名物きりたんぽの団子版。
きりたんぽの団子版と書いたが、だまこ鍋の団子の方がきりたんぽよりも歴史が古いという。

なるほど・・・と感心しながら団子をほおばる。優しい噛み応えが心地よい。ご飯を丸めただけなら汁で団子がほどけてしまうのではないかと心配したが、これがほどけない。
ブースの方にまたまた伺ってみると、ご飯を半搗きにして人肌に冷ましたものを塩水で丸めてつくるのだという。それでしっかりとした団子が出来上がり、汁ではほどけなくなるらしい。

ブースに目をやると、今日は350杯の限定という札がかかっている。昨日は450杯、一昨日は300杯が完売したそうだ。鳥のだしがしっかりと出た、味の厚みのある鍋を堪能した。
秋田県五城目町。映画「釣りキチ三平」の舞台になった町だと教わった。頂戴したパンフレットには茅葺屋根の古民家が掲載されている。見れば確かに、映画「釣りキチ三平」の家として使われていた建屋だ。子供の頃、釣りキチ三平の漫画に強く影響を受けていた筆者にとっては感慨深いものがある。
「首都圏ふるさと五城目町会」の会長、副会長、理事の方々、町役場商工振興課のイケメン氏に、五城目町の素敵な話を色々と伺うことができたが、全てを書くことができず大変心苦しい。
さて、五城目町の隣りで忙しくお客様を裁いていたのが山形県白鷹町(しらたかまち)の出展ブース。

こちらのブースはとてもユニークで引き込まれてしまった。商品の陳列テーブルが一面まんじゅうで埋まっていた。

これほどまんじゅうが敷き詰められているなら、ひとつくらいは買ってみたくなってしまうのも白鷹町の戦略なのか?と思いながら・・・「あわまんじゅう」を購入
粟ともち米を半搗きにしているが、その粘りときたら

くっついた指から落ちない
粟のえぐみを感じさせることもなく、程よい甘さの餡と共に楽しませていただいた。
こちらのブースでも接客でお忙しいさ中、白鷹町産業振興課の係長と商工会の東京サテライトオフィス所長にいろいろと話を聞かせていただいた。
千代田さくらまつり会場でお伺いした山形県白鷹町と秋田県五城目町のブース。両町は共に「公益財団法人まちみらいちよだ」が運営する「市町村サテライトオフィス東京」を利用している。
市町村サテライトオフィス東京の事業目的に謳われている「地場産業活性化支援」によって、東京という集塊の中に地域の観光や産品のコンテンツを発信することができている。また、青空市やマルシェなどの支援も千代田区によって行なわれているそうだ。
期せずして日本で一番早い満開宣言の東京だったが、桜前線はこれから桜を追いかける旅人を引き連れて、ひと月強をかけて北上する。終点、北海道の道東に桜前線が辿り着くのは5月10日頃だという。
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